■札束ぶた牧場(アプリば)
オタク狙いの少々アレな雰囲気とは裏腹に非常に良くできている。システムが上手い上に、バランス調整が絶妙。一般受けする題材を選び、ソシャゲのようなキャラクターの成長システムやバトルにおける相性の概念を取り入れていたら、かなり化けていたのではないかと思う。
ゲームを起動させるとボイス付きの開幕ジャブがあるが、チュートリアルは端的で丁寧。この手のゲームにしては珍しく、茶番少なめでストレスがない。チュートリアル時のカーソルもそうだが、普段のマップも農作物が時々跳ねたり、家の煙突から煙がポップしたりと画面が単調にならないよう、積極的に動きを取り入れている。
なお、度々「ぶた」というキーワードが出てくるが、なぜかゲームに全く絡んでこない。
クッキークリッカー系のゲームなのだが、農作物等を収穫してから再度収穫できるまでのクールタイムが15秒程度なので少し待てばすぐに再収穫できる。この他、農場にいる女の子をタップするとお金を
これだけなら単にクリック対象が増えているだけなのだが、この作品では「コンボ」という概念があり、お金の入手を絶やさなければ更にお金が貰えるようになっている。そのため、農作物などのクールタイムに他の要素でコンボをつなぎ、再度農作物を入手し…というループが可能。簡単に1000コンボ以上出すことができ、500コンボ毎に報酬がもらえるなど芸が細い。
キャラクターという名の設備。レベルを上げると戦闘攻撃力も上がるし、収穫できるお金も増える。序盤はレベルを上げるためにお金を使うと、収穫できるお金がすごい勢いで増え始め、お金を使っているはずなのにお金が増えるという不思議な現象を楽しめる。
アプリ起動時に放置していた時間分の収穫を貰える。この額がかなり大きいので、ゲームを起動時に貰った資金でキャラクターのレベルを上げたり、設備を購入しようという気になる。そして、レベルを上げたらバトルをしようという気になり、バトルが膠着し始めたら農場で収穫できるものを収穫しようという気になり、収穫で手に入れたお金でまたキャラのレベル上げや設備を購入しようという気になる。
この一連の流れがすんなり受け入れられるので、他のボタン(つまり「レイドボス」や「ショップ」「図鑑」)も見てみようという余裕が生まれる。
図鑑ボタンを押すと、マップというものがあることが分かり、まだまだ遊べるということが分かる。
バトルは自動戦闘であり、見ていない間もずっと戦い続けていくれている。モンスターが知らないうちに倒されているということはザラ。ただしアプリを閉じている間の攻撃間隔は0.5時間毎になる。このあたりの調整が上手い。攻撃エフェクトも一般的な斬撃だけでなく、目玉焼きをぶつけるキャラがいるなど見ていて面白い。
知らないうちに倒してしまうので、敵グラフィックが無駄になっているのではないかと思ったが、これらはモンスター図鑑に記載されていくのでコレクション要素としてうまく活用されていた。
売られている設備を全て購入し、戦闘でボスを倒すと牧場の拡張ができるようになる。これをすると、新しい設備が入荷される。段階を追って、新しい項目を増やしていくところも上手いと思った。
小目的を提示してモチベーションを維持することと、先を読ませず飽きさせない線引きが上手い。
最後に
- アプリを開くと放置分の収穫が貰えるので、アンインストールする理由がない。とりあえず最後まで遊んでみようという気になる。
- 普通にやっていれば詰まることなく3~4週間ほどで全員カンストして、やることがなくなるとのこと。
- 課金する理由がないので、制作者側もネタで課金要素を取り入れた雰囲気があるが、機種変更でデータが引き継げないので炎上している。割と盲点。